子育ての貯金はいくら必要?教育費の目安と毎月の貯金額を実体験つきで解説

お金

「子育てにかかるお金って、結局いくら貯金しておけばいいの?」

わが家に子どもが生まれたとき、私が最初にぶつかったのがこの疑問でした。ネットで調べると「1人2,000万円」「大学までに1,000万円」といった数字が並び、正直なところ不安になるばかり。かといって、具体的に毎月いくら貯めればその金額に届くのかは、どこにも書いていませんでした。

結論から言うと、**子育ての貯金でまず目標にすべきは「大学入学までに子ども1人あたり300万〜400万円」**です。そして、その金額は児童手当を使い切らずに貯めるだけでも、かなりの部分をカバーできます。

この記事では、文部科学省などの調査データをもとに幼稚園から大学卒業までにかかる費用の目安を確認し、そこから逆算した毎月の貯金額、確実に貯める方法、使える制度までを順番に解説します。あわせて、家計簿が三日坊主で終わった私が、それでも月1〜2万円台を貯め続けられている仕組みも包み隠さず紹介します。数字を眺めて終わりではなく、読み終わったその日に行動に移せる内容を目指しました。


  1. 子育て世代の貯金額の平均・中央値はいくら?
    1. 30代・40代の金融資産保有額は「平均」と「中央値」で大きく違う
    2. 年間の貯蓄割合は手取りの10〜20%が一つの目安
  2. 子育てにかかる費用の全体像|教育費以外の支出も確認しよう
    1. 養育費は0歳から22歳までで1人あたり約1,600万〜2,000万円
    2. 習い事は「見えにくい固定費」になりやすい
  3. 幼稚園から大学卒業までの教育費はいくら?【公立・私立別の目安】
    1. 幼稚園から高校までの学習費総額
    2. 大学の学費は入学から卒業まででいくら?
  4. 【結論】子育ての貯金は「大学入学までに1人300万〜400万円」が目安
    1. なぜ400万円なのか
    2. 目標額は「進路の可能性」で調整する
  5. 毎月の貯金額はいくら?子どもの年齢別シミュレーション
    1. 児童手当だけで目標の半分以上に届く
  6. 【我が家の実体験】家計簿が続かなかった私が、月1〜2万円台を貯め続けられている理由
    1. 家計簿アプリを3回インストールして、3回とも消した
    2. 「管理しない貯金」に切り替えたら、あっさり続いた
    3. 3年間で貯まった金額と、続いた理由
    4. 反省点:もっと早く投資枠を使えばよかった
  7. 子どものために確実に貯める5つの方法
    1. 1. 児童手当は全額、別口座へ
    2. 2. 先取り貯金(自動積立)で仕組み化する
    3. 3. 学資保険で「強制力」と「保障」を持たせる
    4. 4. NISAのつみたて投資枠で長期運用する
    5. 5. 子ども名義ではなく「親名義の専用口座」で管理する
  8. 教育資金の負担を軽くする制度を確認しよう
    1. 幼児教育・保育の無償化
    2. 高等学校等就学支援金
    3. 奨学金制度
    4. 教育ローン
  9. 子育ての貯金でやりがちな失敗と注意点
    1. 子ども名義の口座は「名義預金」と見なされることがある
    2. 学資保険に入りすぎて家計が回らなくなる
    3. 親自身の老後資金・保障を犠牲にしない
    4. インフレを前提に、定期的に見直す
  10. 教育費だけじゃない|子どもの将来設計に合わせた多目的貯金
  11. まとめ:子育ての貯金は「早く・少額でも・自動で」

子育て世代の貯金額の平均・中央値はいくら?

まずは「よそのご家庭はどのくらい貯めているのか」を確認しておきましょう。目標を立てる前に現在地を知ることが、無理のない貯金計画の第一歩になります。

30代・40代の金融資産保有額は「平均」と「中央値」で大きく違う

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」によると、子育て世代の中心である30代・40代の金融資産保有額はおおむね次のような水準です。

世帯主の年代平均(金融資産保有世帯)中央値
20代300万円前後100万円台
30代700万〜900万円程度300万円前後
40代900万〜1,100万円程度300万〜400万円程度

※金額は調査年により変動します。執筆時点の参考値としてご覧ください。

ここで注目したいのが、平均と中央値の差の大きさです。平均は一部の資産を多く保有する世帯に引き上げられるため、実感からかけ離れた数字になりがちです。実際のボリュームゾーンを表すのは中央値のほうで、30代の二人以上世帯なら300万円前後が「真ん中の人」の貯蓄額ということになります。

さらに、貯蓄がまったくない世帯も一定数存在します。30代・40代では2割前後が金融資産非保有という調査結果もあり、「うちだけ貯まっていない」と落ち込む必要はまったくありません。

年間の貯蓄割合は手取りの10〜20%が一つの目安

年間ベースで見ると、子育て世帯が貯蓄に回している金額は年収の10〜20%程度が一つの目安です。世帯年収500万円(手取り約400万円)なら年間40万〜80万円、月あたり3万〜7万円という計算になります。

ただしこれは住宅ローンの有無や地域、子どもの人数で大きく変わります。住宅ローンの返済中で、なおかつ保育料の負担が重い時期は、貯金額が月1万円を切っても不思議ではありません。大切なのは平均に並ぶことではなく、必要な時期までに必要な額を用意できる計画になっているかです。


子育てにかかる費用の全体像|教育費以外の支出も確認しよう

「子育て=教育費」と思われがちですが、実際にかかるお金は教育費と養育費の2本立てです。

養育費は0歳から22歳までで1人あたり約1,600万〜2,000万円

養育費とは、学校以外で子どもを育てるためにかかるお金の総称です。具体的には以下のような支出が含まれます。

  • 食費、衣類、おむつ・ミルクなどの育児用品
  • 保育料(3歳以降は幼児教育・保育の無償化で大きく軽減)
  • 医療費、予防接種などの健康関連費
  • おこづかい、レジャー費、旅行費
  • 子ども部屋の確保による住居費の増加
  • 学資保険や生命保険の保険料

内閣府の調査などをもとにすると、0歳から大学卒業までの養育費は子ども1人あたり約1,600万〜2,000万円が目安とされています。「子ども1人3,000万円」という数字を見かけるのは、この養育費と教育費を合算しているためです。

ただし、養育費の大部分は毎月の生活費として収入の中から支払っていくお金です。あらかじめ全額を貯金で準備する必要はありません。貯金で備えるべきなのは、短期間に大きな金額が出ていく教育費、特に大学入学時の費用です。この区別をつけるだけで、漠然とした不安はかなり整理されます。

習い事は「見えにくい固定費」になりやすい

見落としがちなのが習い事の費用です。スイミング、ピアノ、英会話、学習塾などを2つ3つ掛け持ちすると、月1万〜3万円の支出が長期間続きます。年間にすれば12万〜36万円、6年間続ければ100万円を超える金額です。

習い事は子どもの可能性を広げる大切な投資ですが、家計の中では実質的な固定費として扱い、貯金額と両立できる範囲かどうかを定期的に確認しておきましょう。


幼稚園から大学卒業までの教育費はいくら?【公立・私立別の目安】

ここからが本題です。進路別に、学校教育にかかる費用の目安を確認していきます。

幼稚園から高校までの学習費総額

文部科学省の「子供の学習費調査」によると、学校教育費・学校給食費・学校外活動費を合計した「学習費総額」の年間目安は以下のとおりです。

学校種別公立(年間)私立(年間)
幼稚園約18万5,000円約34万7,000円
小学校約33万6,000円約182万8,000円
中学校約54万2,000円約156万円
高等学校(全日制)約59万7,000円約103万円

※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」をもとに作成。数値は調査年により変動します。

これを在学年数分で積み上げると、幼稚園から高校卒業までの総額は次のようになります。

  • すべて公立:約600万円
  • すべて私立:約2,000万円
  • 高校のみ私立(他は公立):約720万円

すべて公立なら15年間で約600万円、年あたり平均40万円ほど。月に換算すると約3万3,000円です。この金額は毎月の生活費の中から支払っていくのが基本になります。

一方、私立を選ぶと負担は一気に跳ね上がります。特に私立小学校は年間180万円超と別格で、すべて私立の場合は公立の3倍以上です。どのタイミングで私立の可能性があるのかを、早い段階で夫婦で話し合っておきたいところです。

大学の学費は入学から卒業まででいくら?

教育費の山場が大学進学です。4年間の在学費用と入学金を合わせた目安は次のとおりです。

進学先入学金授業料等(年間)4年間の総額
国公立大学約28万円約54万円約240万円
私立大学(文系)約23万円約100万円約420万円
私立大学(理系)約25万円約135万円約570万円
私立大学(医歯系)約100万円前後約300万円以上6年間で2,000万円以上

※授業料に加え、施設設備費・実験実習費等を含んだ概算です。

さらに、自宅外から通う場合は仕送りが上乗せされます。日本学生支援機構の調査では自宅外通学者への仕送りは年間100万円前後。4年間で約400万円が追加でかかる計算です。「私立理系・自宅外」なら1,000万円近い資金が必要になることもあり得ます。

加えて、大学受験そのものにも費用がかかります。受験料は1校あたり3万5,000円前後、複数校受験すれば20万〜30万円。遠方受験なら交通費・宿泊費も必要です。入学が決まれば、入学金と前期授業料を数週間のうちに納めなければなりません。高校3年生の冬から春にかけて、100万〜200万円がまとめて出ていく——これが子育て貯金の最大の関門です。


【結論】子育ての貯金は「大学入学までに1人300万〜400万円」が目安

ここまでの数字を踏まえて、目標額を整理します。

なぜ400万円なのか

高校までの教育費は、公立中心であれば月3万円程度。これは日々の収入の中でやりくりできる範囲です。問題は大学入学時にまとまって必要になるお金で、ここだけは事前の貯金がないと対応できません。

  • 国公立大学の4年間:約240万円
  • 私立文系の4年間:約420万円

この中間を取り、大学入学までに子ども1人あたり300万〜400万円を用意できていれば、入学金・初年度の学費・受験費用をまかない、残りを在学中の費用に充てられます。さらに、その頃には子どもの学費以外の支出が落ち着いていることも多く、在学中の費用の一部は家計から捻出できるケースも少なくありません。

目標額は「進路の可能性」で調整する

400万円はあくまで標準的なラインです。次のような場合は上積みを検討してください。

  • 私立理系や医歯薬系、芸術系への進学の可能性がある
  • 自宅外通学(一人暮らし)の可能性が高い
  • 中学・高校から私立を視野に入れている
  • 留学や大学院進学の希望がある

逆に、祖父母からの援助が見込める、地元の国公立大学が有力といった場合は、300万円程度でも十分に機能します。目標額は一度決めて終わりではなく、子どもの進路の見え方に合わせて数年ごとに見直すものだと考えてください。


毎月の貯金額はいくら?子どもの年齢別シミュレーション

目標額が決まったら、あとは逆算するだけです。ここでは目標400万円として、貯め始める時期別に必要な毎月の貯金額を計算してみます。

貯め始める時期18歳までの期間毎月必要な額児童手当を活用した場合
0歳(出産直後)18年(216か月)約1万8,500円約7,700円
3歳15年(180か月)約2万2,200円約1万1,200円
6歳(小学校入学)12年(144か月)約2万7,800円約1万8,000円
10歳8年(96か月)約4万1,700円約3万1,700円
12歳(中学校入学)6年(72か月)約5万5,600円約4万5,600円

※児童手当は、第1子・第2子が18歳到達年度末までに受け取る総額を約234万円として概算。

この表が示していることは明快です。0歳から始めれば月1万8,500円で届く目標が、12歳からだと月5万5,600円必要になる。3倍の差です。

しかも、金額が上がるほど家計への負担は急に重くなります。中学生以降は部活動費や塾代がかさむ時期でもあり、そこから月5万円以上を新たに捻出するのは現実的ではありません。子育ての貯金は「いくら貯めるか」より「いつから始めるか」のほうが、はるかに結果を左右します。

児童手当だけで目標の半分以上に届く

もう一つ表から読み取れるのが、児童手当の威力です。2024年10月の制度改正で所得制限が撤廃され、支給対象が高校生年代まで延長されました。

  • 3歳未満:月1万5,000円(第3子以降は月3万円)
  • 3歳〜高校生年代:月1万円(第3子以降は月3万円)

第1子・第2子の場合、0歳から18歳到達年度末までの受給総額は約234万円。これを1円も使わずに貯めるだけで、目標400万円の6割近くに到達します。残り約166万円を18年で割れば、自己資金は月約7,700円。この数字を見た瞬間、私は「これならできる」と思えました。


【我が家の実体験】家計簿が続かなかった私が、月1〜2万円台を貯め続けられている理由

ここからは、未就学児が1人いる我が家のリアルな話をさせてください。

家計簿アプリを3回インストールして、3回とも消した

子どもが生まれてすぐ、私は「まず家計を把握しよう」と意気込んで家計簿アプリを入れました。銀行口座とクレジットカードを連携させて、支出を自動で分類してくれるタイプのものです。

最初の2週間は快調でした。レシートを撮影し、費目を直し、月末に集計を眺めて「食費が思ったより高い」と反省する。ところが、子どもの夜泣きが続いた月に一度入力が滞ると、そこから先はもう戻れませんでした。**未分類の支出が数十件たまった画面を開くのが苦痛になり、アプリを消しました。**これを3回繰り返しました。

つまり私は、家計を正確に管理することができない親でした。そして、これは私だけの話ではないはずです。仕事と育児で手一杯の時期に、毎日の支出管理を続けられる人のほうが少ないと思います。

「管理しない貯金」に切り替えたら、あっさり続いた

3回目の挫折のあと、発想を変えました。管理できないなら、管理しなくていい仕組みにすればいい、と。

やったことは、たった3つです。

1. 児童手当専用の口座を1つ作った

生活費のメイン口座とは完全に別の銀行に、子ども用の口座を開きました。自治体への振込先変更届を出して、児童手当がこの口座に直接入るようにしています。メイン口座を経由しないので、生活費と混ざりようがありません。通帳を見るのは年に1回あるかないかです。

2. 給料日当日に自動振替で1万円を移した

同じ口座に、給料日の翌日に1万円が自動で移動する設定を入れました。金額を月1万円にしたのは、「ボーナス月に頑張る」のではなく「絶対に止まらない額」にしたかったからです。余裕がある月は手動で5,000円〜1万円を追加していて、結果として月1万〜2万円台のペースが3年ほど続いています。

3. その口座のキャッシュカードを財布から抜いた

これが地味に効きました。引き出せる状態にしておくと、大きな出費があった月につい頼ってしまいます。カードを自宅の書類ケースにしまい、アプリの残高も普段は見ないようにしました。

3年間で貯まった金額と、続いた理由

この仕組みだけで、現在の残高は150万円超。内訳は児童手当が約54万円(3歳未満の月1万5,000円×3年分)、自己資金が約90万円、残りが端数の積み上げです。家計簿は一度もつけていません。

続いた理由ははっきりしています。判断する場面を一つも残さなかったからです。「今月はいくら貯められるか」を毎月考えていたら、私は確実に挫折していました。入口で自動化して、出口を物理的に塞いだだけ。意志の力はほとんど使っていません。

家計簿アプリが続く人は、もちろんそのまま続けたほうが精度は高いです。でも、**続かない自分を責めるくらいなら、続かない前提の仕組みに乗り換えたほうが、結果として貯まります。**これが、3回挫折した私が出した結論です。

反省点:もっと早く投資枠を使えばよかった

一方で、反省もあります。3年間、ほぼ全額を普通預金に置いたままにしていました。物価が上がっている局面では、現金のまま置いておくと実質的な価値が目減りします。最近になってようやく、追加分の一部をNISAのつみたて投資枠に回し始めたところです。

「貯金の仕組みを作る」ことと「その資金をどこに置くか」は別の問題でした。もし今0歳から始めるなら、児童手当分は預金、自己資金分はNISAで積立という分け方で最初から走らせると思います。


子どものために確実に貯める5つの方法

ここからは、目標額に向けた具体的な方法を整理します。それぞれ性格が違うので、組み合わせて使うのがおすすめです。

1. 児童手当は全額、別口座へ

最優先で取り組むべき方法です。理由は単純で、もともと家計になかったお金だからです。生活費の口座に入れてしまうと、いつの間にか日常の支出に溶けてしまいます。

自治体の窓口やオンライン手続きで、児童手当の振込先を子ども用の口座に指定するだけ。一度設定すれば、以後18年間ほったらかしで約234万円が貯まります。家計を一切圧迫せずに目標の6割を達成できる、最も費用対効果の高い一手です。

2. 先取り貯金(自動積立)で仕組み化する

「余ったら貯金する」では、まず貯まりません。給与が振り込まれた時点で、先に貯金分を別口座へ移す先取り貯金に切り替えましょう。

  • 銀行の自動入金・自動振替サービス(多くは手数料無料)
  • 給与天引きの財形貯蓄制度(勤務先にある場合)
  • 積立定期預金

金額は、多少家計が苦しい月でも絶対に止めない額に設定するのが最大のポイントです。月3万円で3か月続かないより、月1万円を10年続けるほうが確実に貯まります。慣れてきたら少しずつ増額しましょう。

3. 学資保険で「強制力」と「保障」を持たせる

学資保険は、保険料を払い込み、進学のタイミングで祝金・満期金を受け取る貯蓄型の保険商品です。

メリット

  • 途中解約しにくいため、確実に貯められる
  • 契約者(親)が亡くなった場合、以後の保険料が免除されて満期金は受け取れる
  • 生命保険料控除の対象になる

デメリット

  • 中途解約すると元本割れする可能性が高い
  • 近年は返戻率が低く、大きく増やす商品ではない
  • インフレに弱い(受取額が契約時に固定される)

「意志が弱いので確実に貯めたい」「万一のときの保障もまとめたい」という方には有力な選択肢です。一方で、返戻率だけを見るなら他の方法に分があります。加入するなら保険料は無理のない額に抑え、これ一本に頼らないことが重要です。

4. NISAのつみたて投資枠で長期運用する

18年という長い期間があるなら、投資による資産運用も現実的な選択肢です。NISA口座で得た運用益は非課税になり、つみたて投資枠では年120万円まで、生涯では1,800万円まで利用できます。

仮に月1万5,000円を年利3%で18年間積み立てると、元本324万円に対して評価額は約430万円程度になる計算です(あくまで試算であり、元本保証はありません)。

ただし注意点があります。大学入学の直前に相場が下落していたら、必要な金額を取り崩せない可能性があるということです。対策としては次の2点を意識してください。

  • 教育資金の全額を投資に回さず、預金と投資に分ける
  • 進学の3〜5年前から、少しずつ現金化して預金に移していく

5. 子ども名義ではなく「親名義の専用口座」で管理する

子どもの名前で口座を作るのは気分が上がりますが、実務上は注意が必要です(詳しくは後述)。親名義で、用途を分けた専用口座を作るほうが、管理も引き出しもシンプルになります。目的別に口座を分けられるアプリ連動型の銀行サービスを使えば、1つの口座内で「教育資金」「車の買い替え」などのように資金を仕分けることもできます。


教育資金の負担を軽くする制度を確認しよう

貯金だけで背負い込む必要はありません。公的な支援制度を知っているかどうかで、必要な貯金額は大きく変わります。

幼児教育・保育の無償化

3歳から5歳までの幼稚園・保育所・認定こども園の利用料が無償化されています(幼稚園は月額上限あり、給食費・行事費等は別途負担)。住民税非課税世帯では0〜2歳児も対象です。この時期は子育て期間中でも貯めやすいゴールデンタイムにあたります。保育料が下がった分をそのまま貯金に回すのが理想です。

高等学校等就学支援金

高校の授業料を国が支援する制度です。所得制限の撤廃や私立高校生向けの支援額の引き上げが段階的に進められており、高校の授業料負担は以前より大きく軽くなっています。ただし、授業料以外の費用(教材費、制服、修学旅行費、通学費など)は自己負担です。支援の対象範囲は制度改正で変わるため、進学前に最新の情報を確認してください。

奨学金制度

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には、返済不要の給付型と、返済が必要な貸与型があります。

  • 給付型奨学金+授業料等減免:住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯が対象。多子世帯や理工農系の学生への支援も拡充されています
  • 第一種奨学金:無利子で借りられる貸与型
  • 第二種奨学金:有利子(在学中は無利子)の貸与型

貸与型は実質的に子ども本人の借金になります。卒業後の返済負担を考えると、あくまで不足分を補うものとして位置づけ、返済シミュレーションを親子で確認してから利用を決めましょう。

教育ローン

日本政策金融公庫の「教育一般貸付(国の教育ローン)」は、子ども1人あたり350万円(一定の要件で450万円)まで、固定金利で借りられます。親が借りる形で、入学前に一括して受け取れるのが特徴です。民間の金融機関の教育ローンより金利が低い傾向にあり、借りる必要が出てきたときは、まずはこちらを検討すると良いでしょう。


子育ての貯金でやりがちな失敗と注意点

実際に貯め始めてから気づく落とし穴もあります。先に知っておきましょう。

子ども名義の口座は「名義預金」と見なされることがある

親が入金・管理している子ども名義の口座は、税務上は**親の財産(名義預金)**と扱われる可能性があります。相続が発生した際に相続財産として課税対象になったり、子どもに引き渡した時点でまとまった贈与と見なされたりすることがあるのです。

また、贈与税の基礎控除は年間110万円。毎年少額を移す分には問題になりませんが、進学時に一度に大きな金額を子ども名義に移すと課税対象になることがあります。金額が大きくなりそうな場合は、早めに税理士や金融機関の窓口に相談してください。

学資保険に入りすぎて家計が回らなくなる

保険料は一度契約すると長期間固定される支出です。返戻率を上げようと高額な契約を結んだ結果、毎月の家計が苦しくなり、中途解約して元本割れ——これは最も避けたいパターンです。学資保険を選ぶ場合は、家計に余裕がある範囲に抑え、他の方法と組み合わせましょう。

親自身の老後資金・保障を犠牲にしない

子どもの教育費を最優先するあまり、親の老後資金がゼロになるのは危険です。教育費には奨学金や教育ローンという選択肢がありますが、老後資金を借りることはできません。また、住宅ローンを繰り上げ返済しすぎて手元資金が枯渇するのもリスクです。

生活費の6か月分程度は、いつでも引き出せる現金として確保したうえで、教育資金の積み立てを進めてください。

インフレを前提に、定期的に見直す

物価が上がれば、学費も上がります。実際、大学の授業料はこの数十年で緩やかに上昇し続けてきました。今日の400万円が、18年後に同じ価値を持つとは限りません。

対策は難しくありません。

  • 資金の一部を投資に振り向け、物価上昇に追随させる
  • 年に1回、家族の誕生日などのタイミングで貯金額と目標を見直す
  • 収入が上がったら、増えた分の一定割合を自動積立に上乗せする

「一度決めたら18年そのまま」ではなく、年1回だけ確認する。それだけで計画の精度は大きく変わります。


教育費だけじゃない|子どもの将来設計に合わせた多目的貯金

最後に、あまり語られないけれど大切な視点を一つ。子どもにお金がかかるのは、大学卒業で終わりではありません。

  • 就職の準備費用:スーツ、交通費、資格取得費用などで10万〜30万円程度
  • 一人暮らしの初期費用:敷金・礼金・家電・家具で50万〜80万円程度
  • 成人式:振袖のレンタル・撮影などで20万〜50万円程度
  • 結婚の援助:援助する家庭では100万〜200万円程度が一つの目安
  • 運転免許の取得:合宿・通学で25万〜35万円程度

すべてに備える必要はありませんが、教育資金の口座と一緒くたにしておくと、「大学の費用に使うはずだったお金が、いつの間にか別の用途に消えていた」ということが起こります。

おすすめは、目的別に資金を分けて管理することです。

資金の種類目標額の目安置き場所
生活防衛資金生活費6か月分いつでも引き出せる預金
大学入学資金300万〜400万円預金+一部を投資
ライフイベント資金50万〜100万円預金
親の老後資金別途設定NISA・iDeCo等

最近のネット銀行やアプリには、1つの口座の中で目的ごとに資金を仕分けできる機能があります。複数の銀行を渡り歩かなくても、画面上で「教育資金:◯◯円」と見える化できるので、私のように管理が苦手な人ほど恩恵が大きい機能です。


まとめ:子育ての貯金は「早く・少額でも・自動で」

長い記事になったので、要点を整理します。

  • 子育ての貯金は、大学入学までに子ども1人あたり300万〜400万円が目安。高校までの費用は基本的に毎月の収入から支払う
  • 幼稚園から高校まですべて公立なら約600万円、すべて私立なら約2,000万円。大学は国公立で約240万円、私立文系で約420万円
  • 0歳から始めれば月1万8,500円で400万円に届く。12歳からでは月5万5,600円。始める時期が結果を決める
  • 児童手当を使わずに貯めるだけで約234万円。目標の6割近くをカバーできる
  • 先取り貯金・学資保険・NISAを組み合わせ、預金と投資に分散させる
  • 幼児教育無償化、就学支援金、給付型奨学金、教育ローンなど使える制度は必ず確認する
  • 子ども名義の口座、保険の入りすぎ、親の老後資金の犠牲には注意

そして、私自身の経験から最もお伝えしたいのはこれです。家計管理が続かなくても、貯金は続けられます。

必要なのは、毎日の努力ではなく「判断しなくていい仕組み」です。児童手当の振込先を変える。自動振替を1本設定する。カードを財布から抜く。この3つなら、今日のうちに終わります。

完璧な家計簿より、今日できる小さな設定を。子どもが18歳になったとき、その差ははっきりとした金額になって表れます。この記事が、あなたのご家庭の貯金計画を立てる参考になればうれしく思います。

他にも子どもNISAや投資などさまざまな方法があると思うので、ご自身に一番合った方法で無理なく資産形成をしていかれると良いかと思います。

※本記事で紹介している金額・制度は執筆時点の情報をもとにした目安です。最新の内容は各省庁・金融機関の公式サイトでご確認ください。具体的な資金計画については、ファイナンシャルプランナー等の専門家への相談もご検討ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました